ブラックⅠ-出会い-
だから胸が痛かった。
なんで痛いのかは分からないけど、
なんだか無償に痛かった。
ニセモノって言葉がやたらと私の心にシコリを残した。
けどレイジが迎えに来てくれる事は凄く嬉しくて、校門に行くころにはその胸の痛みもいつも治まっていく。
「今日は早く帰るんだろ?」
学園祭は数日後に迫っていた。
今日はアキさんが手配してくれた浴衣を受け取る約束をしてる。
「ウェルカムケーキ買わなきゃ!」
「なんだよそれ」
「浴衣貸してくれる人に出すケーキだよ!」
「んなのいらねぇよ」
「何でよ、浴衣借りるんだよ?いるに決まってるじゃん!だからケーキ屋さん寄って!ケーキ屋!」
そのあと「いらねぇだろ」とか「めんどくせぇ」とかブツブツ言うレイジにしつこく言ってケーキ屋に連れて行ってもらった。