ブラックⅠ-出会い-



だから胸が痛かった。



なんで痛いのかは分からないけど、



なんだか無償に痛かった。




ニセモノって言葉がやたらと私の心にシコリを残した。






けどレイジが迎えに来てくれる事は凄く嬉しくて、校門に行くころにはその胸の痛みもいつも治まっていく。




「今日は早く帰るんだろ?」



学園祭は数日後に迫っていた。
今日はアキさんが手配してくれた浴衣を受け取る約束をしてる。




「ウェルカムケーキ買わなきゃ!」



「なんだよそれ」




「浴衣貸してくれる人に出すケーキだよ!」




「んなのいらねぇよ」




「何でよ、浴衣借りるんだよ?いるに決まってるじゃん!だからケーキ屋さん寄って!ケーキ屋!」



そのあと「いらねぇだろ」とか「めんどくせぇ」とかブツブツ言うレイジにしつこく言ってケーキ屋に連れて行ってもらった。




< 244 / 376 >

この作品をシェア

pagetop