ブラックⅠ-出会い-
「アオイちゃん、こんばんは」
私を見て素敵な笑顔を向けるコトネさんは美人すぎて凝視出来ないほど。
「あ、こんばんは」
「浴衣、気に入ってくれると嬉しい」
優しく微笑むその姿は前回ブラストの倉庫で見たときの男前な感じとはまるで別人のようにおしとやかで、
「あら、レイジもいたの」なんて続けて言ったコトネさんを見ると、あの態度はどうやらレイジ限定らしい。
「いたら悪りぃか」といいつつドカっとソファーに腰掛ける姿は特に機嫌が悪いようには見えなくて、やっぱりレイジはコトネさんを嫌っているっていうより好いているようにしか見えなかった。
「浴衣着てみて?」
コトネさんが大きな紙袋から取り出した浴衣は、薄い紫色の生地に濃い紫とブルーで描かれた蝶と蓮の花が散りばめられているとっても素敵な浴衣。
「かわいい…」
「そお?気に入ってくれて嬉しい、髪飾りもあるの」
楽しげに浴衣を広げるコトネさんに続いて可愛い浴衣に目を奪われてしかたない私。
「あっちの部屋で試着しよっか!」
「はい!」