ブラックⅠ-出会い-



「アオイちゃん、浴衣似合うね」




カエデが私に笑顔を向けながらたこ焼きを渡してくれて、それを隣のレイジが一つつまむ。



「うん、ありがとう。カエデはたこ焼き屋さんカッコいいよ」




モヤモヤと考えていた私は何かヘンテコな事を言ったらしく、珍しくカエデが「ぶっ」と吹き出して笑う。



やっぱりカエデはレイジとは違って、ちゃんとクラスのお手伝いをしていた。
手伝いをしているというよりは、ただ席に座って客引きをしているだけみたいだけど、



周りを見渡すとレイジ、カエデ、イツキ全員が集まったこの教室はとんでもないことになっている。



中に入っては来ないしにしても、廊下は凄い人でごった返していて、外からはキャーキャーと凄い声援だ。



うん、分かった。
レイジはスーツ着ようが着まいが、キャーキャー言われるんだ。




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