ブラックⅠ-出会い-
中では出かけた時と同じ場所にいるレイジ。
黒革のソファーで寝転がる金髪レイジ。
けど、その姿はどうやら寝ているようだった。
雑誌をお腹に無造作に置いて、目をつぶっているし「スースー」と気持ち良さそうな寝息さへ聞こえる。
もの凄く緊張していただけに、なんだかフッと肩の力が抜けた。
「レイジ…ごめんね」
寝ている姿に言っても意味なんてないのに。
私ってずるいな…
「怒ってるんじゃないの…」
そう、怒ってなんかない。
「緊張しちゃって…上手く話せなかっただけなの…」
寝ているレイジの横にしゃがみ込みながら小さく呟く。