ブラックⅠ-出会い-
「ねぇ!どお?上手くいった?」
何だか外から聞こえてくる声。
「イツキやめとけ、邪魔しちゃ悪いだろ」
それを止めてるっぽいもう一人の声。
「……………」
いつから聞いていたんだろう。
私が言ったアレコレはまかさ聞いてないでしょうね!?
どうやらそんな外の声にもちろんレイジを気が付いたらしく、私を抱きしめていた腕をゆっくり離すと
「チッ」と大きな舌打ちをして立ち上がる。
その足は完全に扉に向けられていて、錆び付いたドアノブを握るとそれを一気に引っ張った。
「ぎゃあ!!」
ドアがいきなり引かれた事によって、思いきり転げる人物。
「てめぇ」
もちろん言われた当の本人は、レイジの恐ろしく低い声なんて気にしてない様子で、
「あーちゃんおめでとー!!俺嬉しいよー!!」なんて笑顔全開で駆け寄ってきた。