ブラックⅠ-出会い-



熱い熱い互いの唇を何度も重ねた。




唇が離れるたび、白い吐息が辺りを包んで




そしてまた重なり合う。






どれくらい続けただろう……




「リュウガとは何にも無かったよ…」




途中、呼吸困難になるんじゃないかと思ったところで、やっと私から少し離れたレイジへ呟く。




「何にも?」



何にもは言いすぎだけど、軽くウソ入ってるけど




「う…ん…」




歯切れの悪い私の返事にレイジが気が付かないわけがなかった。




「本当だろうな?もし嘘だったら…」



「あ!違った!間違った!何にもって事は無かったような気もしなくもないかも!分かんないけど!夢かもしれないし!気のせいってパターンもあるし!」



< 299 / 376 >

この作品をシェア

pagetop