ブラックⅠ-出会い-
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ブラックコーヒー
重たい鉄製の扉を、ギィーと音を立てながらゆっくりと開くと
目の前には薄暗い空間。
ドアノブを握る手にジンワリと汗が滲み、喉は緊張のせいかカラカラで音も出せない。
今更こんな事で緊張している自分に“フッ”と笑みが漏る。
何を今更躊躇(ちゅうちょ)したのだろう。
……………もう決めた事なのに、
躊躇する理由すら
私が生きる中には存在しないというのに。