ブラックⅠ-出会い-
窓の外を眺めると、学校への道だとすぐにわかった。
せっかくクッキーの材料を買いにきたのに、ただ迷っただけで意味なかった。
結局買えてないし…
「今後一人で出歩いちゃダメだからね?」
運転席から聞こえてくるアキさんの声は怒っているはずなのにやっぱり魅力的で
「今日の放課後、一緒に出かけようか」
もしかしたらアキさんは気が付いてるのかもしれない。
私がクリスマスプレゼントを買いに行くつもりだったことに、それがサプライズで、だから何にも答えなかった事に。
あぁ、アキさんってやっぱり凄い。
「本当に!?」運転しているアキさんの横顔を見ると、目尻を下げて優しく笑っている。