ブラックⅠ-出会い-
そんな私の考えをアキさんは分かっていたのかもしれない。
「お金、貸そうか?」
けして無理矢理なんかじゃなく、遠慮気味に「貸す」と言ってくれるアキさん
もしここでお金を借りたとして、私がいつか返しても、きっとそれを受け取る事は無いんだと思う。
だけど私のために、私が自然とお金を受けてれるようにあえてそう言ってくれてるんだって分かってる。
だけど私は受け取らなかった。
アキさんのその優しさを受け取る事は出来なかった。
「大丈夫!ありがとうございます」
だってそれじゃ意味ないから、
アキさんが稼いだお金で買ったって意味なんてない。
私が、自分で、稼がないと意味がないから。