ブラックⅠ-出会い-
イツキは何だか胸を躍らすようにワクワクしているのが伝わってくる。
赤いテールランプが道路を包み、皆が皆楽しそうにバイクを走らせる。
郁也と付き合っていた時、数回だけ参加したことがあるソレはやっぱり暴走族には欠かせないイベント事の一つらしい。
「私も楽しみだなー!」
イツキの横で「ねーっ!」なんて二人で目を合わせながら、すっかりクリスマスマジックにかかっていた私に信じられない言葉が聞こえてくる。
「お前は連れて行かねぇぞ」
「えー!何でー!?」
私に向けられたレイジの視線。
「あぶねぇから」
行く気満々だったのに!
皆と楽しむ気満々だったのに!!
「そんな顔しても行かせねぇから」
プーっと頬を膨らませてレイジを睨み付けるけど、バッサリと切られた。