ブラックⅠ-出会い-
「行くぞ」
そのレイジの声にカエデとイツキが立ち上がる。
「じゃあ、あーちゃん行って来るね!」
「うん、気を付けて」
手を振る私にカエデとイツキが先に部屋から出て行く。
コツコツと足音をたてて、私に一歩づつ近付いてくるレイジ。
晒しで巻かれた鍛えられた身体、
その上から羽織った紺の特攻服はどこまでもレイジに似合っていた。
「外に何人かいる、なにかあったらそいつらに言えよ」
「うん、わかった」
ポンっと優しく私の頭に手をおくと
「良い子で待ってろ」
野獣のような八重歯をキラリと光らせて部屋から出ていった。