ブラックⅠ-出会い-
1人で寝るにはあまりに広すぎるそのベッドへと腰をかけるとモコモコのパジャマが置いてある。
私はワインレッドのワンピースをするりと脱ぎ捨てるとパジャマへと手を通してベッドへと横になった。
きっと今頃 いなくなった私に気が付いて郁也が捜している…
どうしよう。ここだと見つかったら。
また、またあの地獄のような毎日が来たらどうしよう。
もう、怖すぎて涙も出なかった。
あの恐怖を思い出すと、ただただ身体中が震えて、不安が私を包み込む。
ふかふかで寝心地抜群なはずのベッドなのに、しばらく私は寝付けなくて
窓から明かりが差し出したころ、いつの間にか眠りに落ちていた。