ブラックⅠ-出会い-


冷蔵庫を開けると意外にも食材が揃っていて、レイジに聞くとどうやらアキさんが料理をするらしい。



さすがアキさん。
あの爽やかさで料理が出来るなんて





私はぱぱっとオムライスを作りあげるとソファーへだらしなく座るレイジの前へと置く。



黄色くトロトロとした卵を口に運ぶレイジに、他人に料理なんて作ったことの無い私はドキドキで




「うまい」





そんな小さな呟きにニコニコしながら見つめていると



「うざい」




「へへっ、だって嬉しくて」




さっさと食べ終わったレイジは自ら食器を洗い「うまかった、ありがとな」と今度は素直に言うと、リビングのドアをパタンと閉めた。




多分自室に行ったんだと思う。






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