ブラックⅠ-出会い-
2
ウワサ
「アオイちゃん、制服似合うよ」
真新しい制服に身を包んだ私をアキさんがニッコリと見つめる。
それが本心なのか、お世辞なのかはその笑顔からは観て取れないけど
似合うと言われて嫌な気をする人なんているはずもなく「へへっ」と笑う私に
「まぁ、馬子にも衣装だな」
なーんて憎たらしいレイジの言葉。
そんなレイジはしっかりと紺色の学ランを着こなしていて、はだけたシャツからはシルバーアクセが光っている。
うん、言い返せない。
「リュウガはまだ寝てんのか?レイジ起こしてこい」
「あぁ?何で俺が。アオイが起こしてこいよ」
「え?私?」
「めんどくせぇ」