ブラックⅠ-出会い-
「リュウガさん、朝です…」
とりあえずベッドの前で声をかけるも返事があるはずもなく失敗に終わった。
どうやら起こすにはリュウガさんを揺すらなくてはいけないみたいだ。
だけどキングサイズのベッドはあまりに広く、上に乗らないと中心にいるリュウガのところまでは届かない。
人様のベッドへと勝手に乗って良いものか…
でも仕方ないよね、ここまできたなら。
なるべくベッドが軋まないようゆったりと膝立ちで全身して、こんもりとした布団の上からトントンと優しく叩く。
「リュウガさーん」
「……………」
どうやらかなりの低血圧なよう。