ブラックⅠ-出会い-
ポカンとしている私に言葉を続ける。
「レイジのファン達は手を出さなくなるけど、他のチームの奴らはアオイちゃんを狙う」
カエデの表情は真剣そのもので、それが笑い飛ばせるような事じゃないんだとそう思わせる。
「でも大丈夫、そんなことレイジがさせない」
不安に眉を垂れ下げた私の心を見透かすようにニコリと微笑むカエデ。
「そーそー!そんなこと俺らがさせないからあーちゃんは安心してな!ね、レイ君!」
「当たり前だ」
まだ、知り合って間もないのに私を守ってくれると言う彼ら。ここは温かい。郁也といた時とは大違いだ。
「そのかわり、俺から離れるんじゃねぇぞ」
そう言って私の肩を抱き寄せるレイジ。これはさっき言った作戦のうちなんだと思う。けど……レイジと付き合ってるフリなんて…
「こっちのセリフだ」
「っえ?」
「俺だってお前なんかと付き合ってるフリなんてしたくねぇ」
ちょっと失礼な!!
てゆかそれより私声に出てた?出てないよね?レイジはエスパーなんだ。エスパーに違いない。