月陰伝(一)
色々と危ないからと車で送ってもらい。
大学の門の前に着いた。
「ありがと。
助かったよ」
「っ気持ち悪ぃなっ。
でもまぁ…また乗せてやってもいい…」
「………」
「っ何だよっ。
言いたい事があるなら言えっ。
そんな目で見んなッ」
「ごめんごめん。
いつも逃げられちゃうから、追いかけないように自制してたんだけど、今度からはちゃんと追いかけるね。
煉と一緒に」
「ッバカヤロウっ。
ヤメロよッ怖ぇだろうがッ。
前言撤回だっ。
二度と近寄るなっ」
失礼なっ。
「っあっあのっありがとうございました」
「っおう。
お嬢ちゃんは、何か困った事があったら俺か陸達に言えよ?
あぁ〜待て………っほれっ連絡先だ。
電話は出れねぇかもしれねぇから、メールでな。
あと、こっちのが陸と……こっちが結城のな。
こう言うのは良くねぇが、コイツが姉貴だからな……人には言うなよ」
「っはいっありがとうございますっ」
「よしっ気ぃ付けてな。
あんま一般人とケンカすんなよっ」
態度が違いすぎる。
覚えてろっ今度は逃がさないからっ。
「良い人だね。
おねぇちゃん…知り合い多いんだね」
「変なのばっかりだけどね。
そう言えば……変なのって言えば、リリィは男だから」
「……?っえぇぇッッ!!」
精神的なダメージを受けた美輝を引きずりながら、桂教授の研究室へと辿り着いた。
「おぅ、いらっしゃい。
待っとったぞぃ」
迎えられ、応接セットのある奥へと通された。
すると、そこに雪仁がいた。
「っ美輝ちゃん!?」
「雪お兄さん!」
まぁ驚くよね。
事情を話そうと口を開けたと同時に、いきなり研究室のドアが蹴破られるように開いた。
「桂教授っ真紅さんが来ましたよね!?
貸してくださいッ」
「っなんじゃい、藪から棒に」
「イタリア語のできる通訳を探してたんですっ。
三十分ッ三十分だけお借りしますっ」
うん?
私!?
ロックオンとばかりに詰め寄られ、腕を掴まれた。
「っ!?
なっ!?」
「助けてちょうだいっ。
イタリア語いけるわよね?」
「っええ…っ」
「講義で来ていただいた先生の通訳さんが駄目になっちゃったのっ。
お願いねっ」
そうして研究室から引きずり出されたのだった。
「……おねぇちゃん…?」
「わっはっはっ、しようがないのぉ。
結ちゃんがいない間に、関係の説明でもしてたらどうじゃ?
雪ちゃんはこの子と知り合いなんかの?」
「ええ…父が再婚して…新しくできた妹ですよ。
でも、何で結ちゃんと?」
「っあのっ…おねぇちゃんなんです…。
再婚する前に、養女に出てしまって…」
「養女!?
ならっ結ちゃんは……」
大学の門の前に着いた。
「ありがと。
助かったよ」
「っ気持ち悪ぃなっ。
でもまぁ…また乗せてやってもいい…」
「………」
「っ何だよっ。
言いたい事があるなら言えっ。
そんな目で見んなッ」
「ごめんごめん。
いつも逃げられちゃうから、追いかけないように自制してたんだけど、今度からはちゃんと追いかけるね。
煉と一緒に」
「ッバカヤロウっ。
ヤメロよッ怖ぇだろうがッ。
前言撤回だっ。
二度と近寄るなっ」
失礼なっ。
「っあっあのっありがとうございました」
「っおう。
お嬢ちゃんは、何か困った事があったら俺か陸達に言えよ?
あぁ〜待て………っほれっ連絡先だ。
電話は出れねぇかもしれねぇから、メールでな。
あと、こっちのが陸と……こっちが結城のな。
こう言うのは良くねぇが、コイツが姉貴だからな……人には言うなよ」
「っはいっありがとうございますっ」
「よしっ気ぃ付けてな。
あんま一般人とケンカすんなよっ」
態度が違いすぎる。
覚えてろっ今度は逃がさないからっ。
「良い人だね。
おねぇちゃん…知り合い多いんだね」
「変なのばっかりだけどね。
そう言えば……変なのって言えば、リリィは男だから」
「……?っえぇぇッッ!!」
精神的なダメージを受けた美輝を引きずりながら、桂教授の研究室へと辿り着いた。
「おぅ、いらっしゃい。
待っとったぞぃ」
迎えられ、応接セットのある奥へと通された。
すると、そこに雪仁がいた。
「っ美輝ちゃん!?」
「雪お兄さん!」
まぁ驚くよね。
事情を話そうと口を開けたと同時に、いきなり研究室のドアが蹴破られるように開いた。
「桂教授っ真紅さんが来ましたよね!?
貸してくださいッ」
「っなんじゃい、藪から棒に」
「イタリア語のできる通訳を探してたんですっ。
三十分ッ三十分だけお借りしますっ」
うん?
私!?
ロックオンとばかりに詰め寄られ、腕を掴まれた。
「っ!?
なっ!?」
「助けてちょうだいっ。
イタリア語いけるわよね?」
「っええ…っ」
「講義で来ていただいた先生の通訳さんが駄目になっちゃったのっ。
お願いねっ」
そうして研究室から引きずり出されたのだった。
「……おねぇちゃん…?」
「わっはっはっ、しようがないのぉ。
結ちゃんがいない間に、関係の説明でもしてたらどうじゃ?
雪ちゃんはこの子と知り合いなんかの?」
「ええ…父が再婚して…新しくできた妹ですよ。
でも、何で結ちゃんと?」
「っあのっ…おねぇちゃんなんです…。
再婚する前に、養女に出てしまって…」
「養女!?
ならっ結ちゃんは……」