”愛を知らないキミへ”
私が驚いているのと同様に、彼も驚いている様子。
・・・もしかして、覚えててくれてたのかな。
・・・なんて、少し期待しながら、
彼の輝く瞳に見惚れていた。
2時間目の放課。
男女二人で向き合い、
そして見つめあう。
傍から見れば不思議な光景なのかもしれないが、
私には彼以外見えないくらい、
彼に瞳に夢中だった。
その時。
キーンコーンカーンコーン
「 ・・・チャイム。 」
授業の始まりを告げるチャイムが、
校内に響き渡った。
・・・このチャイムをきっかけに、
私は現実の世界へと戻る。
「 ……あっ すみません……!!
あの、瞳が綺麗だなと思いまして……。
………悪気はないんです…っ!!
えっと、あの……
本当になんか ごめんなさい!! 」
ペコペコと頭を下げ、
顔を真っ赤にしながら謝っていると、
彼の口角が少し上がった。