”愛を知らないキミへ”

…「はい、どうぞ」

彼が、綺麗に揃えてから、プリントを私に渡す。

受け取り時に少しぶつかった彼の白い指先は、
氷のよう冷たくて、一瞬ビクッと身体が震えた。


「あ、すみませ…「5回目」

「えっ…?」

「謝った回数だよ」

彼の言葉に、私はきょとんとしていた。

「…なんでそんなに謝るの?」

「…えっ… だって、私の前方不注意で、
 迷惑をかけちゃったから…

 …遅刻も決定だし…
  
 本当にごめ…「ほら、また」


彼に指摘されて、初めて気づく。

あ、本当だ。 また言おうとしてる。

驚きのあまり、目を見開いて彼を凝視すると、
彼は優しく微笑んみながら口を開いた。
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