”愛を知らないキミへ”
さっき、彼に綺麗の揃えられたプリントを受け取ったとき、
私は”すみません”って言おうとしてた。
『人は、謝られるよりも、感謝されるほうが、
幸せに感じられるんだ』
彼の言葉が、彼の優しい声のまま、頭に流れる。
あぁ、なんて素敵な言葉だろう。
どうして私は、単純な事に気がつけなかったのだろう。
…でも、今なら、迷わずに答えられるよ。
「…ありがとう」
「よくできました。
君の”ありがとう”も、
皆を幸せにする力を持ってるんだ。
…使わないなんて、もったいないだろ?」
このとき、
遅刻なんて言葉は、頭に無かった。
…この日から、私の世界は一気に変わり始める。