”愛を知らないキミへ”
門の前。
”入学式”と書かれた板。
・・・緊張している私と同じ新入生。
「 美桜。
帰り、この看板の前で写真撮るから、先帰らないでね。」
そう言ってカメラの電池の残量を確認するお母さん。
・・・今日はいつになく美しい。
桜をバックに、お母さんはキラキラと輝いて見えた。
娘が言うのもなんだが、お母さんは
とても美しい容姿の持ち主。
…こんなにも綺麗なお母さんに似なかった私。
ドンマイとしか、言いようがない。
・・・
そんなことを思いながら、
私はこれから共にする東高校の門をくぐった。