星月夜のマーメイド


それからの光輝は、良くも悪くもおば様3人組にこき使われ(可愛がられ)、図書館ライフをエンジョイした。


どさくさに紛れて、皆と同じように彼女を“エレンさん”と呼ぶことにも成功した。


中本町図書館は、光輝にとってありのままの素の自分でいられる唯一の場となった。




「へーっ、青春っぽい。楽しそう―。俺も早く大学生になりて―!」


久しぶりに史也から電話が来て、お互い近況を語りあったりした。


バカやっていたころを思い出して爆笑したりもして。


電話を切る直前、史也が珍しく真面目そうに言った。









「お前、昔に戻ったみたいだな。」





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