星月夜のマーメイド
でも本当は違うんだ。
本当は1日中本を読んでいたい。
本当は大好きなサッカーをしたい。
本当は…教師になりたいっていう夢を捨てたくないって。
希望を持ちたいって…。
「はっ!」
光輝はベッドからガバッと起き上った。
(…嫌な夢見たな…)
ぐっしょりと寝汗をかいている。
史也と電話した後、いつのまにか寝てしまっていたらしい。
一人暮らしでよくあるパターンだ。
電気もクーラーもつけっぱなしだ。
(結局、ダメな自分を人のせいにして生きてんだろうな、俺…。)