星月夜のマーメイド
☆
「エレンちゃん、まだ来ないの?」
中島に言われ、携帯電話をジーッと見つめていたエレンはハッとした顔で振り向いた。
「そろそろ、きつくなってきたんじゃないの?」
「そうですね…。答えを出さないといけないんですよね。本当は…。」
「メールが来ないかいつまでも気にしているエレンちゃん見ていると、おばさんせつなくなっちゃうわ。」
「中島さん…。」
中島の言うとおりだ。
エレンは小さくため息をついて、携帯電話をバッグにしまった。