星月夜のマーメイド




「エレンちゃん、まだ来ないの?」


中島に言われ、携帯電話をジーッと見つめていたエレンはハッとした顔で振り向いた。


「そろそろ、きつくなってきたんじゃないの?」


「そうですね…。答えを出さないといけないんですよね。本当は…。」


「メールが来ないかいつまでも気にしているエレンちゃん見ていると、おばさんせつなくなっちゃうわ。」


「中島さん…。」


中島の言うとおりだ。


エレンは小さくため息をついて、携帯電話をバッグにしまった。
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