星月夜のマーメイド
「ねー、光輝君。エレンちゃんのどこが好きなの?」
「どこって…中島さんに言わなきゃ駄目なんすか?」
「つれないわねー。
エレンちゃんはね、とてもいい子なのよ。
だから、変な虫が付いたら嫌なのよ。」
(変な虫?)
「光輝君なんて、私からすれば若ゾーだわね。
草履虫の一種みたいな…ギャハハ超笑える。」
「俺は全然笑えませんよ…」
光輝はウーロン茶を飲みながら深いため息をついた。
「まあ、半分当たってるから何も言えませんけど。
結局人生なめてたし、中途半端だったし。
虫と一緒でいいです…。」
「エレンちゃんに鍛えてもらった?」
「はい。エレンさん国語の先生になりたかったって言ってました。
俺あんな先生に出会ってたら、もっと違う人生歩めてただろうなーと思います。」
中島は真っ赤な顔をしながら、うんうんと頷いた。
「所でエレンさんは?それを聞きに来たんですけど。」
「それなんだけどね…。」
嫌な予感がした。