星月夜のマーメイド
「時間ないから、簡潔に言う。」
光輝は咳払いをすると、一気に話した。
「最高に格好いい男になって、必ずエレンさんを迎えに行くから!
俺のこと忘れないで待ってろよ!
何年かかるかわからないけど、俺は諦めないから!」
プルルルルル
発車の合図が鳴った。
「光輝君、今最高に格好いいよ。期待しないで待ってる…。」
エレンの目には涙が溜まっていた。
プシュー
ドアが閉まって新幹線が動き出した。
光輝は進行方向に一緒に駆け出した。
笑顔で手を振っていたエレンの姿は、すぐに見えなくなった。