星月夜のマーメイド
教室から出て1階の職員室に向かおうと階段を降りたところで、担当クラスの男子・高橋にぶつかった。
「すまない、大丈夫か?」
光輝の顔をチラッと見ると、小さくお辞儀して階段を駆け上がってしまった。
(そういえば、まだアイツとちゃんと話したこと無いな…。)
光輝はふと昔のふてくされていた自分を思い出した。
(これからだな、あいつも。)
今まで人生なんて、特別な物でも輝いたものでもないと思っていた学生時代。
それは全く違っていたと気づかされたのも学生時代。
(大いに悩めよ…高橋!)