星月夜のマーメイド
温泉に入り海の幸をたらふく食べると、史也は気持ちがいいのかぐっすりと眠ってしまった。
(こいつやっぱりガキだな。)
史也の寝顔を見て笑ってしまった。
窓の外を見ると、ホテル以外の明かりがないせいか真っ暗だった。
光輝は気晴らしに夜の散歩に繰り出した。
近くにある砂浜までは月明かりがあるだけで、あまりよくは見えなかったが、それがかえって光輝にとってはワクワクした。
(この辺だったかな…)
砂浜に出る階段の辺りに着いた光輝は、砂浜にある異変に気が付いた。
(…誰かいる?)