星月夜のマーメイド
「エレンちゃん、今夜飲みに行こう!」
中島さんに初めて誘われたのは、私が中本町図書館に勤務して3日目の事だった。
中島さんは公務員。この図書館に勤務している。
私は、やっとの事でこの図書館に就職できた。
まさか図書館で働けるなんて思ってもいなかったので、正直ビックリしている。
大学を中退し、特に資格もない私が就活したところで、早々受け入れてくれる職場はなかった。
ダメもとで大学時代の恩師に相談すると、図書館の臨時採用の話を教えてくれた。
「国語の教師を目指していた君にはとてもいいのではないか?」と。
様々事情を抱えている私には、本当に願ったり叶ったりの職場。
中島さんは緊張していた私に、初日から明るく接してくれていた。
「はい!ぜひお願いします。」