星月夜のマーメイド
「おい、光輝!」
「う…ん、何だよ…。」
いつの間に朝を迎えたのか、部屋の窓から見た海の向こうには、朝日が少しづつ顔を出し始めていた。。
「おい、見ろよ!綺麗な朝焼けだぞ!」
史也の無駄に大きな声で起こされた光輝は、ゆっくりと窓の方へ歩いて行った。
「ほんとだ。綺麗…。」
確かに朝焼けは綺麗だ。
しかしそんな事よりも、目の覚めた光輝は気になることで頭が一杯だ。
昨夜の出来事が夢だったんじゃないか…と。
あれは夢だったのか。はたまた幻だったのか。
「眠い。もう少し寝る…。」
布団に入った光輝に、容赦のない史也の大声が響く。
「おーい!朝のお散歩行こうぜー!光輝!」
結局大声がうるさくて眠れなかった光輝は、史也と共に散歩に出た。