【短編集】ライン
グリーンライン
素敵な色。
荒んでいた心が、安らぐ色。
「高橋は、いいよね」
「なにが?」
「鎮痛剤みたい」
私は頭を撫でる。
その手に手を重ねて、優しい目をする。
赤く滲んだ血の痕に触れないように、頬にもう片方の手をやる。
「山崎は、喧嘩しすぎ」
「買ってるだけ」
「買わないで」
「なんで」
「高いから」
「大丈夫。今、絶賛セール中だから」
なにそれ、と目を細める。