【短編集】ライン
「狭間さん」


驚いたような顔をして僕の方を向いた彼女の頬は、赤かった。


そしてそのまま俯いた。



「まだ、いたの…」



その声は、ぶっきらぼうと言うよりは、照れ隠し、といった感じで、口はきっと尖んがっているんだろう。

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