【短編集】ライン


冷たいなぁ、って微笑みながら首を傾げられたけど、私にはやっぱり、彼をからかってやりたい気持ちがあった。

それから2分もしないうちに彼は立ち上がった。


「部活行ってくるね」

「うん」


ばいば~い、って仕草をする。

そうしたら、その手を掴まれた。


「行って『来る』って言ったでしょ?」


だから、またここに来るよ。だから、ここで待っててよ。


一瞬、口説かれたような錯覚に陥る。

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