【短編集】ライン


昼間はあんなに人が詰まっているのに、授業が終わると静まり返る空間。

私ひとりには広すぎる。


机に頬をくっつけて、小さな声でつぶやく。


「松本、」

「寂しい?」


教室のドアから、見慣れた顔がひょっこりのぞく。

あぁ。
不適な笑みってこのことを言うのね。


まるで、全て見透かしたような顔。

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