52歳のホワイトデー
アパートに帰って、部屋の電気をつけた。


寒い。

一人分の食材を買って、
誰も待っていない冷めきった部屋に帰る。

そんなこと、慣れていたはずなのに、
寒さが心身に染みる。

食事をしているときも、
テーブルの上に置いたチョコレートから目が離せなかった。
< 15 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop