52歳のホワイトデー
そんな自虐的なことを思い巡らして、何度もため息をついた。

「タカ子、あなたため息をつくのやめなさい」
去年の年末に実家に帰ったとき、年老いた母にそう言われた。

十代の頃から繰り返し言われ続けた言葉だった。



父は、そんな私をとっくにあきらめている。

二つ下の妹は、私の存在が疎ましい。
姉の私が嫁に行かないばっかりに、
体裁を気にした両親に、一年以上も自分の結婚を先延ばしにされたから。
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