52歳のホワイトデー
「あれー? 斉藤さん、
まだ帰らないんですか~?」

(語尾を伸ばすのやめろ…!
お前もうすぐ30だろうがっ)

心の中で悪態をついた。


「新年会の打合せがあるので…」

「あっ、そっかぁ~。
頑張って下さいね!
お先に失礼しま~すっ」

そう言って、
ぶりっコ三十路女は帰って行った。

金曜日。
髪の毛のカールも、化粧も、気持ち気合いが入っている。

「ちっ!」
また無駄に舌打ちをした。
< 4 / 33 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop