52歳のホワイトデー
「ど、どうしました?
何か不備でもありましたか?」
男の人に声を掛けられるときなんて、
仕事のミスを指摘されるときか、
誰もやりたくない雑用を押し付けられるときくらいだ。


「いえ、…はぁはぁ、あの……これ………」
向こうから走って来た遠藤さんは息も絶え絶え。

膝に手を当てて、腰を低くした遠藤さんの頭を見下ろした。
頭のてっぺんが薄くなって、うっすら頭皮が見えている。
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