トイレの神様‐いいえ、ただの野次馬です‐
「神様に励ましてもらったんだ」
「はぁ?」
お友だちさん、私も同じ気持ちですよ。
「フラれたショックで走って逃げたんだけど、たまたま入ったトイレで声が聞こえてきて、あいつは最低男なんだぞって言われたの」
「それのどこに励まされたのかわかんないけど、よかったわね」
「うん!」
それから彼女たちは、昨日のバラエティー番組の話をしながら下駄箱を後にした。
そういえば、去り際に言われた気がする。
『ありがとう、神様』
無駄にいい記憶力で彼女の最後の言葉がよみがえった。