トイレの神様‐いいえ、ただの野次馬です‐
「ほー」
と、ため息。
隣から授業する教師の声が聞こえてきた。
遅れてまで授業に出たくないし、第一、教室に入りづらい。
入学当初なら、迷って遅れました。
なんて言い訳も通用するが、今となっては使えない手だ。
静かな教室の窓から、外を眺める。
もやもやした私の心をあざ笑うかのような青空。
初めから分かっていたはずだ。
私は空気。
その存在はあってないようなもの。
久しぶりに目が合ったからつい舞い上がってしまったが、自惚れてはいけない。
彼のような人とは、ゲームでなければ、関わることはなかったのだから。
でなければ、こんな私に話しかけてくれる奇特な人などいるはずもない。
これ以上、依存してしまう前に、離れなければ。
私はロッカーから習字道具を持ち出し、文をしたためた。
* * *
時は過ぎ、放課後。
場所は、校舎裏の告白スポット。