トイレの神様‐いいえ、ただの野次馬です‐
「時間だー。できてるか?」
計ったように席を外していた担任が戻り、名前で埋まった黒板を見る。
「よし、これで決まりだな」
担任が決定版の黒板を写真に収め、教室を後にする。
あらあら。
これはいくら浪瀬君といえど、ブーイングの嵐ではないですか。
勝手に決められた男子からなんと言われるやら。
「お、これ、俺のやりたかったやつ」
「浪瀬君、ありがとう。迷惑かけずに済みそうだよ」
………意外と、好意的に受け取られていた。
もう一度、浪瀬が男子を振り分けた競技を確認すると、なるほど。
浪瀬あいつ、よく見てるな。
走るのが速い人はリレーに、苦手な人は綱引きなどの動かない競技に。
上手いように振り分けている。
「待てよ浪瀬。なんで俺らが綱引きなんだ!」
「そうだそうだ!」
文句を言うのは、二人三脚の座を争っていた川邊。
隣では市場もうなづいている。
「お前ら、ガタイが良いから適任だろ。期待してるぜ」
男子からは満場一致の拍手。
「絶対勝ってきてね」
「応援してる」
「よっ、体育祭の主役!」
「期待の星!」
などなど。
ノリに任せて彼らをおだてる。
歓声のなかに小さくだが、松本さんの声もあり、悪い気のしなかったらしい彼ら。
「ちっ、今回は休戦だ」
「そうだな」
「やるぞ!」
「おうよ!」
二人はかたい握手を交わし、男同士の友情が芽生えたように思えた。
計ったように席を外していた担任が戻り、名前で埋まった黒板を見る。
「よし、これで決まりだな」
担任が決定版の黒板を写真に収め、教室を後にする。
あらあら。
これはいくら浪瀬君といえど、ブーイングの嵐ではないですか。
勝手に決められた男子からなんと言われるやら。
「お、これ、俺のやりたかったやつ」
「浪瀬君、ありがとう。迷惑かけずに済みそうだよ」
………意外と、好意的に受け取られていた。
もう一度、浪瀬が男子を振り分けた競技を確認すると、なるほど。
浪瀬あいつ、よく見てるな。
走るのが速い人はリレーに、苦手な人は綱引きなどの動かない競技に。
上手いように振り分けている。
「待てよ浪瀬。なんで俺らが綱引きなんだ!」
「そうだそうだ!」
文句を言うのは、二人三脚の座を争っていた川邊。
隣では市場もうなづいている。
「お前ら、ガタイが良いから適任だろ。期待してるぜ」
男子からは満場一致の拍手。
「絶対勝ってきてね」
「応援してる」
「よっ、体育祭の主役!」
「期待の星!」
などなど。
ノリに任せて彼らをおだてる。
歓声のなかに小さくだが、松本さんの声もあり、悪い気のしなかったらしい彼ら。
「ちっ、今回は休戦だ」
「そうだな」
「やるぞ!」
「おうよ!」
二人はかたい握手を交わし、男同士の友情が芽生えたように思えた。