トイレの神様‐いいえ、ただの野次馬です‐
初めこそ、有名どころの相談ばかりでしたが、最近では個人に幅が出てきて、詳しく答えられないことが増えてきています。
いっそのこと、情報収集なんか、辞めてしまおうか。
『トイレの神様』を閉鎖しようか。
気を抜けば、そんな心にもないことを考えてしまいそうです。
“運が良ければ遭遇できる”じゃダメなんだと思い知ります。
「……せめてもう一人いれば」
「何をするんだ?」
「もっと多くの情報を集めることができるのに……」
「はっ、そうかよ」
気分が暗くなって下を向いてしまう。
隣からがさがさ音がした後、上から機械の操作音。
「うわー、お前俺のストーカーかよ。そういうの、間に合ってるんだけど」
頭上から聞こえた男の声にはっとして上を向く。
高いところにある、見覚えのある四角いもの。
「私のデジカメ!」
「おっと!」