トイレの神様‐いいえ、ただの野次馬です‐
「だって、ぼっちのくせにこんな人が多いとこ来るなんて、惨めじゃね?」
「…………」
「ああそうか、お前ストーカーだったな。次のターゲットは誰だ?」
植え込みから顔を出し、全体を眺める彼は放置。
しばらくすると、奴は私の肩を叩いてきた。
うっとうしい。
「なあなあ、あそこのベンチで独りで弁当食べてる奴、嘘ついてハブられてんだぜ」
バカだよな、と笑う浪瀬。
興味を引かれて、植え込みの隙間から覗けば、それらしき男子生徒を見つけた。
木の近くにあるベンチに小さくなって座って弁当を食べている、黒髪眼鏡の平凡な彼。
「参考までに、彼はどんな嘘をついたんですか」
私の情報では、彼は誠実で、嘘をつくような人じゃありません。
「グラビア見て、好みの女について語ってても、あいつは話に入ってこなかったんだよ。その理由ってのが、彼女いるからってさ。あんな地味な奴に彼女なんているわけねぇだろ。誰でもわかる」
人を見下した目。