トイレの神様‐いいえ、ただの野次馬です‐
「………貴様、今日の私の扱い酷くない?」
「自業自得だ」
「あそこで殴らずに、恥ずかしそうに目を逸らすだけで高感度はぐーんと上がるのに」
「気持ち悪い妄想するな。第一、お前の好感度なんて、はなっから気にしてねぇよ」
いつまでも偉そうな浪瀬。
……もういいや。
からかうのはもう飽きた。
「浪瀬」
「あぁん?」
「……ほれるなよ」
なんて言葉を残して、その場をあとにする。
向かう先は、北村美友紀先輩の所。
さっき浪瀬が言っていたことが本当か、聞き出さなければならない。
歩きながら盛った髪を戻していると、後ろから「……バカじゃね」という声が聞こえたのは、気のせいではない。