トイレの神様‐いいえ、ただの野次馬です‐
待つとあるのに、待たされている私って…………。
定期テスト間近で部活はどこも休み。
授業が終わってからかなり経つ。
頭を過る言葉はただひとつ。
忘れられたな、これ。
冒頭でも述べた通り、私はこの時期にする恋愛は、真面目に勉強してる人に対する冒涜だと思う。
だが、それ以上に。
勉強する意思のある者の邪魔するなんて、最低の行いであると私は主張します。
もう、やってられないわ。
帰ろ帰ろ。
騙されて嫌な気分のまま、帰路につこうと身を翻した。
そこで前方から、のんびり歩いている人影が近付いてくるのに気が付く。
手紙の差出人かな。
じっと目を凝らして、不躾なまでに視線を外さずにいる。
学校指定の制服のズボン、スラッとした長身。
顔を判別できる距離まで近付いて、がっくりきた。