転校生のカノジョのヒミツ

「明後日なにがしたいんだ?」

どこに行くのかを聞こうと思っただけなのだが・・・

「秘密です。」

珍しく楽しそうであり、さみしそうだった。

相変わらず表情はあまり変わらないのだけれど。

変わらないのだけれど。

まぁ無表情でもかんがえてることはあるわけで。

だんだんそれがうっすら見えてきた。

誰にだって思ってることはあり、

当たり前に生きていて、

それが全く見えないからと言って

無視しちゃいけない。

なんて、俺が言えるこようなことじゃないけれど。

ちょっとわかると嬉しい。

「不器用だよね。はなさん。」

「・・・。」

「そのままがいいけれど。」

「・・・そうですか・・・。」

「そうですよ。」

そうして彼女はそっぽ向いた。

答えがないのもきっと答えなのだ。

雪菜さんと会ってないなぁ、最近。

なんて。

ぼんやりと思った。

< 36 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop