転校生のカノジョのヒミツ
走るのかと思ったら、タクシーを彼女が止めた。
へ?
呼んでたの?
「本当に急ぐんですから当然ですよ?林田くん。
自分で走ってるヒマなんてないです。わかってるんでしょう?時間がないって」
その言葉が重い。
タクシーに乗ってはなさんは言った。
ごめんなさい、と。
私達はあなたを騙していたのかもしれません、と。
「着きました。ここに一方雪菜がいます。」
着いたのはこの辺りで一番でかい市立病院。
「林田くん、多分大丈夫でしょうけど、驚かないでくださいね。」
はなさんがタクシーをおりたあと
慣れた様子でロビーで手続きをして、エレベーターに乗り込んだ。