【BL】恋に時間は関係ない!
「あれ?手、赤くなってる。」
遠山君の左手に赤い痕を見つけた。
「ああ、大したことじゃない。」
と軽く流されたので深い詮索はやめておいた。
この日から遠山君の手作り弁当攻撃が開始された。
そして日に日に手の赤い痕も増えていった。
深い詮索はしない、そう心に決めていたけど………
さすがに見て見ぬ振りを出来るレベルではなくなってきた。
「遠山君………」
「何?」
「その手、火傷(ヤケド)だよね?」
「……………」
「まさかと思うけど、この弁当のせいだったり……」
そこまで言って、遠山君は照れた。
「……慣れないことはするものじゃないな。」
「あ、あのさ!そこまでしなくていいから!むしろそこまでしないで!!」
「どうして?」
「どうしてって……」
俺の罪悪感が更に重くなるからぁー。
「好きな人のためだ。こんな傷、何ともない。」
………………………はっ!
しまった………
不覚にもトキメいてしまった。
ああ、俺のバカ。
「そうだ。聞くのを忘れていた。今日は好きになってもらえるだろうか?」
「…………昨日よりは」
トキメいてしまった分、ハッキリ拒絶できなーい!
「本当か?」
それはそれは嬉しそうに微笑まれました。
「うん、まぁ」
「そうか。ちょっとずつ進歩しているんだな。」
翌日からも手作り弁当攻撃は続くようです。