甘ずっぱい愛を君へ



朝…「大丈夫?」
…と、心配してくれたあの人。






あの声と顔が、頭から離れない。






さっき、シャーペンを貸してくれた優しい中尾くん。







何回聞いても、朝のあの人と同じ声。








…でも、中尾くんは朝の人とは全然違う外見。










隣から見ても。長い髪のせいで顔がよく見えない。











「書き終わったか?後ろのやつ回収してくれー。」









中尾くんの観察をしてたものだから…プリントを全然書いてなくて急いで書きはじめる。







「何してんの。」


「ごめん;」







私の後ろは、郁未だけ。
急かされ、汚い字でプリントを全部書いた。









「ありがとう。」






隣の中尾くんにシャーペンを返す。





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