何度キミに逢えば……。

陽太side



陽太side◆



本当は秘密にしておきたかった。


でもそうも言ってられなくなった。


今までは大事な人だったから本人を傷つけたくないなら無理に話す必要がなかった。


"恋人"


俺にとって重い言葉に過ぎない。


なぜなら俺には未来が来ないかもしれないから……。


それは輝も同じだろう。

アイツは女なのになんであんなに強く生きられるんだ……?


だっていつ死ぬか分からない。


それなのに気楽に彼女なんて作れない。


俺は彼女を作る資格なんてない。


―……なぁ……そうだろ……?


悲しむのは俺じゃない。

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